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抹茶パウダーと茶道用抹茶の違いを8年間使い分けて分かった真実

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抹茶パウダーと茶道用抹茶の違いを実際に使って検証してみた

抹茶を本格的に学び始めてから8年が経ちますが、最初の頃は抹茶パウダーと茶道用抹茶の違いを理解せずに失敗を重ねていました。特に、料理用の抹茶パウダーで茶道の稽古をしようとして、苦い思いをした経験があります。そこで今回は、実際に両方を使い分けて料理とお茶を作り、その違いを詳しく検証してみました。

製法と品質の違いを実際に確認

まず、同じ茶葉から作られているにも関わらず、製造工程で大きな違いがあることを実感しました。茶道用抹茶は、覆い下栽培(※日光を遮って育てる栽培法)で育てられた茶葉を石臼で時間をかけて挽いているため、粒子が極めて細かく、色も鮮やかな翡翠色をしています。

一方、料理用の抹茶パウダーは機械挽きで大量生産されており、粒子が粗く、色もやや黄緑がかっています。実際に両方を白い紙の上に並べて比較すると、色の違いは一目瞭然でした。

お茶として点てた時の味の違い

茶道用抹茶(今回は中級品の1,800円/30g)で点てたお茶は、まろやかな旨味と上品な甘み、そして心地よい苦味のバランスが絶妙でした。泡立ちも良く、クリーミーな口当たりを楽しめます。

対して、料理用抹茶パウダー(680円/100g)で点てたお茶は、渋みが強く、雑味も感じられました。また、粒子が粗いため泡立ちが悪く、ざらつきも残ります。飲み物としては明らかに品質の差を感じました。

料理での使い分けの実践結果

興味深いことに、料理での使用では全く逆の結果となりました。抹茶クッキーを作る際、茶道用抹茶を使用したものは風味が繊細すぎて、バターや砂糖の味に負けてしまいました。一方、料理用抹茶パウダーを使用したクッキーは、しっかりとした抹茶の味が残り、見た目の色も鮮やかで美しく仕上がりました。

この検証により、価格差の理由と適切な使い分けの重要性を身をもって理解できました。次のセクションでは、この経験を踏まえた具体的な選び方のコツをお伝えします。

料理用抹茶パウダーを選んだ理由と初回購入時の失敗談

なぜ料理用抹茶パウダーから始めたのか

抹茶インストラクターとして活動している現在の私ですが、実は抹茶の世界に足を踏み入れた当初は、料理用の抹茶パウダーから始めました。当時商社勤務だった私が最初に選んだのは、価格の手頃さと入手しやすさが決め手でした。

茶道用の高級抹茶は100g で3,000円以上するものが多く、初心者の私には敷居が高く感じられました。一方、料理用抹茶パウダーなら同じ量で500円程度から購入でき、「まずは抹茶に慣れる」という目的には十分だと考えたのです。

また、平日は夜遅くまで働いていたため、気軽に抹茶を楽しみたいという思いもありました。料理用抹茶パウダーなら、朝の忙しい時間にも手軽に抹茶ラテを作れますし、休日にはお菓子作りにも活用できる汎用性の高さに魅力を感じていました。

初回購入で犯した3つの失敗

しかし、初回購入時には大きな失敗を犯してしまいました。最も痛い失敗は、価格だけで選んでしまったことです。

失敗1:激安品を選んで後悔
ネット通販で見つけた100g 300円の抹茶パウダーを購入しましたが、開封した瞬間に「これは抹茶ではない」と感じました。色は黄緑色で、香りはほとんどなく、味は草のような青臭さが強烈でした。結局、ほとんど使わずに捨てることになり、かえって無駄遣いとなってしまいました。

失敗2:保存方法を理解していなかった
常温で保存していたため、購入から1か月後には色が茶色く変色し、風味も大幅に劣化してしまいました。抹茶パウダーは光と熱に弱く、冷蔵庫での密閉保存が必須だということを、この失敗で学びました。

失敗3:用途を考えずに購入
「料理用」と書かれていたにも関わらず、そのまま飲もうとして苦味の強さに驚きました。料理用抹茶パウダーは加糖や加工を前提として作られているため、ストレートで飲むには適していないことを後から知りました。

この失敗経験から、抹茶パウダー選びには価格以外の要素も重要であることを痛感し、その後の茶道学習への真剣な取り組みにつながったのです。

茶道用抹茶を初めて購入した時の価格への驚きと納得した理由

茶道教室で本格的に学び始めた頃、師匠から「良い抹茶を一度味わってみなさい」と勧められ、初めて茶道用の抹茶を購入することになりました。それまで抹茶パウダーしか知らなかった私にとって、その価格は正直なところ衝撃的でした。

初回購入時の価格ショック

茶道具店で紹介された茶道用抹茶は、わずか40グラムで3,500円。一方、それまで使っていた抹茶パウダーは100グラムで800円程度でした。単純計算すると、茶道用抹茶は約11倍の価格です。商社時代の私でも、正直「高すぎる」と感じました。

しかし、実際に点てて飲んでみた瞬間、その価格差の理由が明確に理解できました。香りの立ち方、舌に残る甘み、そして何より後味の上品さが全く違ったのです。

価格差の背景にある品質の違い

その後、茶農家への取材を重ねる中で、価格差の理由が明確になりました。茶道用抹茶は、以下の工程で丁寧に作られています:

工程 茶道用抹茶 一般的な抹茶パウダー
茶葉の選別 手摘みの一番茶のみ 機械摘みの二番茶も含む
挽き方 石臼で時間をかけて挽く 機械で効率的に挽く
保存方法 冷蔵保存で鮮度維持 常温保存が一般的

特に石臼挽きは、1時間でわずか40グラムしか挽けません。この手間暇が価格に反映されているのです。

投資価値としての納得感

現在、茶道教室の生徒さんには必ず「まずは茶道用抹茶を一度体験してください」とお伝えしています。なぜなら、本物の味を知ることで、抹茶への理解が格段に深まるからです。

私自身、あの初回購入から5年が経ちましたが、茶道用抹茶への投資は決して無駄ではありませんでした。むしろ、抹茶の奥深さを理解する上で必要不可欠な経験だったと確信しています。忙しい現役世代の方こそ、限られた時間で本物の抹茶体験を積むことで、効率的にスキルアップできるのです。

抹茶パウダーでお菓子作りに挑戦した結果と気づいた特徴

抹茶パウダーを使ったお菓子作りは、私が茶道インストラクターになる前から続けている趣味の一つです。商社勤務時代、週末の茶農家巡りで購入した抹茶パウダーを使って、自宅でクッキーやケーキを作ることから始まりました。

初回の抹茶クッキー作りで発見した特徴

最初に挑戦したのは、抹茶パウダー15gを使った基本的なクッキーでした。驚いたのは、茶道用抹茶と比べて色の発色が格段に良いことです。オーブンで焼いた後も鮮やかな緑色が残り、見た目の美しさは申し分ありませんでした。

しかし、味の面では課題が見えてきました。抹茶パウダーは粉砕が細かく、生地に均等に混ざりやすい反面、抹茶特有の深い旨味よりも、ほのかな苦味が前面に出る傾向があります。これは製造工程で、お菓子作りでの使いやすさを重視して調整されているためです。

レシピ改良で分かった抹茶パウダーの活用法

その後、約20回のお菓子作りを通じて、抹茶パウダーの特性を活かす方法を発見しました。

お菓子の種類 推奨使用量 ポイント
クッキー 薄力粉100gに対し10-15g バターの風味と相性が良い
スポンジケーキ 薄力粉100gに対し20g 卵の甘味で苦味が和らぐ
アイスクリーム 生クリーム200mlに対し25g 冷たさで苦味が抑えられる

特にアイスクリーム作りでは抹茶パウダーの真価を実感しました。茶道用抹茶では溶けにくく、ダマになりやすいのですが、抹茶パウダーは生クリームにスムーズに溶け込み、なめらかな食感を実現できます。

お菓子作りから学んだ使い分けの基準

現在、茶道教室の生徒さんにお菓子作りを指導する際は、以下の基準をお伝えしています:

見た目重視のお菓子:抹茶パウダーの発色の良さを活用
風味重視のお菓子:茶道用抹茶で深い味わいを追求
初心者向けレシピ:扱いやすい抹茶パウダーから始める

抹茶パウダーは「お菓子作りの入門編」として最適です。失敗が少なく、安定した結果が得られるため、抹茶の世界に足を踏み入れる最初の一歩として、忙しい現役世代の方にも自信を持っておすすめできます。

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