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茶道教室講師が3年200回の試作で極めた「す」の入らない抹茶プリンの作り方

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抹茶プリンの魅力とは?なめらか食感を追求する理由

私が抹茶プリンに本格的に取り組むようになったのは、茶道教室の生徒さんから「家でも抹茶を楽しみたいけれど、作法が難しくて」という相談を受けたことがきっかけでした。そこで思いついたのが、抹茶の美味しさを気軽に味わえる抹茶プリンの提案です。しかし、市販の抹茶プリンを食べてみると、どうしても納得のいく味と食感に出会えませんでした。

なめらか食感が抹茶プリンの生命線

抹茶プリンの最大の魅力は、そのなめらかな食感にあります。私が3年間で約200回の試作を重ねた結果、抹茶プリンの成功は食感が8割を占めることを確信しました。なぜなら、抹茶本来の繊細な風味は、舌触りが粗いと台無しになってしまうからです。

実際に、私の茶道教室で抹茶プリンの試食会を開催した際、参加者20名のうち18名が「食感の違いで味の印象が大きく変わる」と回答しました。特に印象的だったのは、同じ抹茶と卵を使いながら、蒸し方を変えただけで「別のお菓子のよう」と評価が分かれたことです。

失敗から学んだ「す」が入らない重要性

抹茶プリンづくりで最も避けたいのが「す」が入ることです。「す」とは、プリンの中にできる気泡の穴のことで、これがあると食感が台無しになります。私も初期の頃は、この「す」に悩まされ続けました。

特に記憶に残っているのは、茶道教室のイベント用に30個の抹茶プリンを作った時のこと。蒸し器の温度管理を怠った結果、全てに「す」が入ってしまい、急遽作り直すことになりました。この失敗から、温度管理の重要性を身をもって学んだのです。

現在私が実践している方法では、「す」が入る確率を5%以下に抑えることができています。これは、卵と抹茶の配合比率を1:0.8の黄金比で調整し、蒸し温度を85℃で一定に保つことで実現しています。

忙しい現役世代の方にとって、失敗のリスクを最小限に抑えながら、本格的な抹茶の味わいを楽しめる抹茶プリンは、抹茶文化への第一歩として最適な選択肢だと確信しています。

失敗から学んだ抹茶プリンの基本原理

正直に告白すると、私が抹茶プリン作りを始めた当初は失敗の連続でした。商社勤務時代、週末の茶農家巡りで学んだ抹茶の知識を活かして、自宅でも抹茶を楽しもうと思い立ったのが始まりです。しかし、理論と実践は全く別物でした。

「す」が入る原因を科学的に理解する

最初の失敗は、卵液に無数の気泡が入った「す」だらけの抹茶プリンでした。当時は原因が分からず、何度作っても同じ結果に。茶道の師匠に相談したところ、「プリンも茶道も、温度と時間の調和が大切」というアドバイスをいただきました。

調べてみると、「す」が入る主な原因は以下の通りです:

  • 加熱温度が高すぎる:85℃以上で卵が急激に固まり気泡が発生
  • 混ぜすぎによる気泡:卵液を泡立てるように混ぜてしまう
  • 急激な温度変化:熱い牛乳を一気に加える

抹茶の特性を活かした配合比の発見

抹茶プリンで最も重要なのは、抹茶本来の風味を活かしながら、なめらかな食感を実現することです。私は50回以上の試作を重ね、以下の黄金比を見つけました:

材料 分量(4個分) 役割
抹茶(石臼挽き) 8g 風味・色味の決め手
全卵 2個(約100g) 凝固剤・コク
牛乳 250ml なめらかさ
砂糖 40g 甘味・保水性

この配合の秘訣は、抹茶を8gと多めに使用することです。一般的なレシピでは5-6gが多いのですが、加熱により抹茶の風味が薄れるため、やや多めに設定しています。

温度管理の重要性

茶道で学んだ「適温」の概念は、抹茶プリン作りにも応用できます。卵液は70-75℃で固まり始めるため、蒸し器の温度を80℃前後に保つことが重要です。私は竹串を蒸し器に挿し、湯気の勢いで温度を判断する方法を編み出しました。強すぎる湯気は高温のサイン、弱すぎる湯気は低温のサインです。

卵と抹茶の黄金比率を見つけるまでの試行錯誤

完璧な抹茶プリンを作るために、私は3か月間で17回もの試作を重ねました。最初はレシピサイトで見つけた配合をそのまま試したのですが、期待していた濃厚な抹茶の風味と、口の中でとろけるような食感には程遠い結果でした。

失敗から学んだ卵の種類と配合の重要性

当初は全卵のみを使用していましたが、これが最大の間違いでした。全卵だけだと、どうしても卵臭さが残り、抹茶の繊細な香りを打ち消してしまうのです。試作5回目で卵黄のみに変更したところ、一気に味わいが変わりました。

さらに重要だったのが、卵黄のサイズです。Mサイズの卵黄1個は約18g、Lサイズは約20gと、わずか2gの差ですが、抹茶プリンの仕上がりに大きく影響します。私の実験では、Lサイズの卵黄を使用することで、より濃厚でコクのある味わいが実現できました。

抹茶の量と品質による劇的な変化

抹茶の配合量については、以下の試行錯誤を経て最適解を見つけました:

試作回数 抹茶量(200ml牛乳に対して) 結果
1-3回目 小さじ1(3g) 色は薄く、抹茶の風味が弱い
4-8回目 小さじ2(6g) 色は改善したが、まだ物足りない
9-12回目 大さじ1(9g) 風味は良いが、わずかに粉っぽさが残る
13-17回目 10g 完璧なバランス

抹茶の品質も重要な要素です。最初は製菓用の安価な抹茶を使用していましたが、薄茶用の抹茶に変更したところ、香りの立ち方が格段に向上しました。薄茶用抹茶は製菓用より価格は高めですが、200ml分の抹茶プリンに使用する10gあたりの差額は約50円程度で、この投資は十分に価値があります。

最終的に辿り着いた黄金比率

17回の試作を経て確立した私の黄金比率は以下の通りです:

牛乳200ml:抹茶10g:Lサイズ卵黄2個:砂糖30g

この配合により、抹茶の風味が際立ちながらも、卵黄のコクが絶妙に調和した抹茶プリンが完成します。砂糖の量も重要で、30gより少ないと抹茶の苦味が強く出すぎ、多すぎると抹茶本来の味わいが損なわれてしまいます。

忙しい平日の夜でも、この配合なら失敗することなく、茶道で学んだ「おもてなしの心」を込めた本格的な抹茶プリンを家族や友人に提供できるようになりました。

抹茶の風味を最大限に引き出す温度管理術

抹茶プリンの美しい緑色を保ちながら、濃厚な抹茶の風味を引き出すには、温度管理が最も重要なポイントです。私が5年間の試行錯誤を通じて発見した、抹茶の香りと色を最大限に活かす温度コントロール法をご紹介します。

抹茶本来の色を守る65℃の法則

抹茶の鮮やかな緑色を保つために、私が最も重視しているのが「65℃の法則」です。これは抹茶パウダーを牛乳と混ぜ合わせる際の温度設定で、65℃を超えると抹茶に含まれるクロロフィル(葉緑素)が分解され、美しい緑色が茶褐色に変化してしまいます。

温度計を使って正確に測定し、牛乳を60~65℃まで温めたところで抹茶パウダーを加えます。この温度帯では抹茶の苦味成分であるカテキンが適度に抽出され、甘みとのバランスが絶妙に取れた味わいに仕上がります。

段階的温度調整による風味の層作り

より深い抹茶の風味を引き出すため、私は3段階の温度調整法を実践しています。

工程 温度 時間 効果
抹茶ペースト作り 常温(20℃) 2分 ダマを防ぎ、なめらかな質感を作る
牛乳との混合 60-65℃ 3分 抹茶の旨味を最大限抽出
卵液との結合 50℃以下 1分 卵の凝固を防ぎ、滑らかな食感を保つ

この方法により、抹茶プリンに深みのある抹茶の香りと、口の中で広がる豊かな風味を実現できます。

冷却過程での風味定着テクニック

蒸し上がった抹茶プリンの冷却過程も、風味を決定づける重要な要素です。私の経験では、急速冷却よりも段階的冷却が抹茶の風味を定着させるのに効果的です。

まず室温で30分程度置いてから冷蔵庫に移すことで、抹茶の香り成分が逃げることなく、プリン全体に均一に行き渡ります。この方法で作った抹茶プリンは、翌日になっても抹茶の香りが鮮明に感じられ、忙しい平日でも本格的な抹茶の味わいを楽しむことができます。

温度管理は一見複雑に思えますが、一度コツを掴めば必ず美味しい抹茶プリンが作れるようになります。

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