松本は、行けば行くほど「もっと時間が必要だった」と感じる街です。正直、1泊2日で計画してみたことがあるのですが、松本城だけで半日使ってしまい、中町通りをゆっくり歩いたら気づいたら夕方になっていた、という経験がありました。そういう意味で、2泊3日という日程は「欲張れる日数」だと思っています。
松本の魅力は、コンパクトな城下町の中心部だけでなく、30〜40分圏内に安曇野の田園風景と北アルプスの絶景が広がり、さらに1時間ほどで標高2,000mの美ヶ原高原にもアクセスできるところにあります。城下町・農村・高原がこれだけ近い距離に揃っている観光地は、国内でもなかなかありません。
この記事では、1日目に松本城と城下町、2日目に安曇野・大王わさび農場、3日目に美ヶ原高原とビーナスラインドライブ、というモデルコースをベースに、ホテル・グルメ・アクセス情報もセットで紹介します。初めて松本を訪れる方にも、「前回は1泊だったからもっとゆっくり回りたい」というリピーターの方にも使えるコースになっています。
松本2泊3日旅行の基本情報とアクセス
旅の計画をスムーズに立てるために、まずはアクセス方法と費用感を整理しておきます。松本は交通の便が良い観光地ですが、エリアによって移動手段が大きく変わります。
東京・名古屋・大阪からのアクセス
東京方面からは、JR中央線の特急「あずさ」が新宿駅から松本駅まで直通で約2時間30分です。1時間に1〜2本程度運行されており、指定席も取りやすい路線です。料金は自由席で片道約5,500〜6,000円、指定席で約6,500円程度(2026年4月時点)です。早割を使えば新幹線利用より経済的に移動できます。
名古屋方面からは特急「しなの」が便利です。名古屋駅から松本駅まで約1時間45分、1日10本前後の運行があります。大阪・京都からも「しなの」を利用でき、京都発で約3時間30分、大阪発で約4時間程度です。新幹線で名古屋まで出てから乗り換えるルートが時間的にも費用的にもバランスが取れています。
マイカーでのアクセスは、長野自動車道の松本ICが玄関口。東京方面からは中央自動車道で約2〜3時間、名古屋方面からは東名・中央道経由で約3時間が目安です。ただし週末は渋滞が発生しやすいため、早朝出発か鉄道との組み合わせがおすすめです。
松本市内の移動手段
松本城、中町通り、ナワテ通り、松本市美術館は、いずれも松本駅から徒歩10〜15分圏内に集中しています。中心部の観光だけなら、1日目は完全に徒歩で回れます。荷物が多い場合はコインロッカーを松本駅に預けておくと快適です。
2日目の安曇野・大王わさび農場へはJR大糸線で穂高駅まで約35分。駅から農場まで徒歩20〜25分か、自転車レンタルが便利です。安曇野は自転車が最も旅らしい移動手段で、サイクリングロードも整備されています。
3日目の美ヶ原高原とビーナスラインはレンタカー必須です。公共交通機関もありますが、ビーナスラインを自分のペースで走るのは格別の体験です。松本駅周辺には複数のレンタカー会社があり、前日から予約しておくと安心です。2泊3日の日程なら、2日目朝から借りて3日目夕方返却するプランが使い勝手よく旅行できます。
2泊3日の費用の目安
松本2泊3日の費用を概算しておきます(2026年4月時点の目安、1人あたり)。宿泊費は温泉旅館に2泊する場合で1泊1人あたり15,000〜25,000円程度。東京からの特急往復で14,000〜16,000円程度。松本城入場料が800円、大王わさび農場は無料。食事代は1日3食で5,000〜8,000円程度を見ておけば安心です。
2泊3日の総額は、1人あたり60,000〜100,000円程度が現実的な目安です。楽天トラベルのポイントやセールをうまく活用すれば、宿泊費を10〜20%程度抑えることも可能です。
【1日目】松本城と城下町を堪能する
初日は松本の歴史と文化にどっぷり浸かるプランです。松本城は午前中から混み始めるので、開門直後の8時30分を目標に訪れるのがベストです。
国宝松本城(午前)
松本城は、日本に現存する12天守のひとつで、なかでも五重六階の天守が現存するのは全国でも松本城と姫路城だけです。黒と白のコントラストが美しい外観は「烏城(からすじょう)」とも呼ばれ、北アルプスを背景にしたロケーションは何度見ても飽きません。
天守内部は急勾配の階段が続くため、スニーカーや歩きやすい靴が必須です。最上階(6階)からは松本の街並みと北アルプスのパノラマが広がります。開館時間は8時30分〜17時00分(最終入場16時30分)、入場料は大人800円です。週末は混雑するため、平日午前中か開館直後がおすすめです。
松本城の周囲には日本庭園の「二の丸御殿跡庭園」もあり、城と一緒にゆっくり散策できます。早朝なら朝霧がかかった松本城を眺められることもあり、それを目当てに来るカメラマンも多いそうです。
中町通り&ナワテ通り(午後)
昼食後は、松本城から徒歩10分ほどの中町通りへ。江戸時代の蔵造りの建物が連なる通りで、土産物店・ガラス工芸・雑貨・カフェが集まっています。蔵造りの建物を改装したおしゃれなショップが多く、ぶらぶら歩くだけで楽しい通りです。
中町通りから少し足を延ばすと、女鳥羽川沿いのナワテ通りがあります。こちらはもう少しローカル感があり、屋台や昔ながらの食べ歩き系の店が並んでいます。松本のマスコット「カエル」グッズのショップも点在していて、子どもから大人まで楽しめるゆるい雰囲気が漂っています。2時間程度のんびり歩くとちょうどいいボリュームです。
個人的に気になっているのは、中町通りにある老舗の「松本民芸家具」のショールーム。旅の途中で家具を眺める、というちょっと変わった体験ですが、松本の工芸文化を知るうえでおもしろい場所です。
松本市美術館(夕方)
中町通りの散策を終えたら、松本市美術館へ向かいましょう。松本駅から徒歩約10分の場所にあります。最大の見どころは、松本出身の現代アーティスト・草間彌生の常設コレクションです。屋外には「幻の華」「大いなる巨大南瓜」などの大型作品が展示されており、美術館の外からでも楽しめます。
館内には草間彌生の油絵・彫刻作品が展示されており、独特の水玉模様と鮮やかな色彩は一度見たら忘れられないインパクトがあります。開館時間は9時00分〜17時00分(最終入場16時30分)、月曜休館。入場料は大人410円です。美術館の後は、夕食の時間に合わせて宿に向かいます。
【2日目】安曇野・大王わさび農場と北アルプスの絶景
2日目は松本市内を離れ、30〜40分で行ける安曇野エリアへ。北アルプスの雪解け水が田畑を潤す農村風景の中、日本最大級のわさび農場と穂高連峰の絶景が待っています。
大王わさび農場(午前)
安曇野のシンボル的存在が、大王わさび農場です。北アルプスの伏流水を利用した広大なわさび田は、常に澄み切った流水で満たされており、透明度の高さは国内でもトップクラスです。水草が揺れる水路と、鮮やかな緑のわさびが一面に広がる光景は、思わず立ち止まって写真を撮りたくなる美しさです。
入場は無料で、年中無休(農場内の施設は季節によって変動あり)です。農場内にはわさびソフトクリームやわさびコロッケなどのフード屋台、わさびを使ったお土産店があります。わさびの辛さが苦手な人でも食べやすいわさびの漬物や加工品が充実していて、お土産選びが楽しい場所です。
農場内を一周するには1〜2時間程度。映画「もののけ姫」に登場する水車小屋のような建物「三連水車」も有名なフォトスポットです。JR穂高駅から徒歩20〜25分か、駅前でレンタサイクルを借りると快適です。
安曇野の散策(午後)
大王わさび農場の後は、自転車で安曇野の農村エリアをぐるりと回るのがおすすめです。平坦な地形と整備されたサイクリングロードのおかげで、体力に自信のない方でも無理なく楽しめます。
立ち寄りたいスポットとして、穂高神社があります。全国に点在する穂高神社の本社で、安曇野の総鎮守として地元の人々に親しまれてきた神社です。静かな境内には大きなケヤキの木が立ち並び、北アルプス登山の安全を祈願する山岳信仰の雰囲気が漂っています。
安曇野の湧水地「わさび田湧水群」も見逃せません。北アルプスからの伏流水が地表に湧き出る場所が点在しており、水の透明度は見るからに清らかです。夏でも水温が低く、手を入れると一瞬でひんやりする感覚は、農場の疲れを一気に吹き飛ばしてくれます。
安曇野から松本への戻り方
自転車を返却後、JR穂高駅から大糸線で松本駅へ。約35分、440円程度です。レンタカーを使っている場合は、国道19号か長野自動車道経由で40〜50分程度です。帰りに松本市内でディナーを楽しんでから宿に戻るプランも組みやすいです。2日目の夜は、奮発して温泉宿の夕食を楽しむというのも松本旅行の醍醐味です。
【3日目】美ヶ原高原とビーナスラインドライブ
旅の最終日は、松本の大自然を締めくくるビーナスラインドライブです。標高2,000m級の高原を走る爽快なドライブコースで、これを体験してしまうと松本旅行の「〆」として外せなくなります。ただし、天候が変わりやすいエリアなので、晴れ予報の日に設定するのが大前提です。
美ヶ原高原(午前)
松本市街から車で約1時間、美ヶ原高原は標高約2,034mに広がる高原牧場です。夏には一面の緑の草原に牛が放牧される風景が見られ、遠くに北アルプスや八ヶ岳の山並みを望む360度のパノラマは圧巻です。
高原には「美ヶ原高原美術館」があり、屋外に大型の彫刻作品が数多く展示されています。広大な芝生の上に散らばる現代アートの数々を、山の空気を吸いながら鑑賞するのはなんとも贅沢な体験です。冬季は閉館のため、訪問は4月下旬〜11月中旬が目安です。
早朝に松本市内を出発すれば、霧がかかった幻想的な高原の朝を体験できることもあります。雲海が広がることもあり、その光景に出会えたらラッキーです。観光案内所から歩いて15〜20分の「王ヶ頭」(標高2,034m)からの眺めは、晴れていれば北アルプス、南アルプス、富士山まで見渡せる絶景ポイントです。
ビーナスラインのドライブコース
美ヶ原を後にしたら、ビーナスラインを南下します。全長約75kmの無料ドライブルートで、長野県内では定番中の定番ドライブコースです。車山高原・白樺湖・蓼科など、名前を聞いたことがある絶景スポットが次々と現れます。
車山高原では、リフトで山頂(1,925m)まで上がると、晴れた日には富士山や南アルプスまで見えることがあります。白樺湖は湖畔に白樺の木立が続く美しい湖で、カフェや土産物店が並ぶ観光地として整備されています。湖越しに蓼科山を望む構図がフォトジェニックで、SNS映えするショットが撮れます。
ビーナスラインをフルで走ると茅野市まで出てしまいますが、3日目は帰路の新幹線・特急の時間があるため、白樺湖あたりで折り返して松本方面に戻るのが現実的です。白樺湖から松本ICまでは車で約1時間です。
帰路のタイムライン
3日目に松本発の特急あずさで東京に戻る場合、遅くとも松本駅を16時台までには出発したいところです。逆算すると、美ヶ原高原を10時頃出発し、ビーナスラインを2〜3時間かけて楽しみ、松本市街に13〜14時頃戻るスケジュールが組みやすいです。駅近のランチを済ませ、軽くお土産を買って出発、という流れです。
松本2泊3日のおすすめ宿3選
松本エリアには、城下町からほど近い温泉地が複数あります。宿泊先は旅のスタイルに合わせて選ぶのがポイントです。観光拠点として利便性を取るか、温泉でゆっくりするかで選択肢が変わります。
松本 浅間温泉 ホテル玉之湯(温泉派向け)
松本城から北東へ車で約20分の場所にある浅間温泉は、松本藩の御殿湯として江戸時代から続く歴史ある温泉地です。その中でも松本 浅間温泉 ホテル玉之湯は、松本市内の温泉宿の中でも評価が高い施設です。
大浴場と露天風呂のほか、貸切展望露天風呂があり、北アルプスを望みながら湯に浸かれます。夕食は信州食材を使った和食コース料理で、地元の山の幸を丁寧に調理したメニューが評判です。松本駅から送迎バスも利用できます(要事前予約)。1泊2食付きで1人あたり15,000〜30,000円が目安です。
信州松本 美ヶ原温泉 翔峰(上質な旅館派向け)
浅間温泉と並んで松本の奥座敷として知られる美ヶ原温泉にある信州松本 美ヶ原温泉 翔峰は、全室から北アルプスと松本平を一望できる上質な温泉旅館です。
2018年に開業した展望浴場「うつくしの湯」は、広い窓越しにアルプスを眺めながら入浴できるロケーションが売りです。食事は信州豚や旬の食材を使った多彩なコース料理で、器にも地元の工芸品を使うなどこだわりが感じられます。松本駅からの無料送迎あり。1泊2食付きで1人あたり20,000〜40,000円程度で、特別な旅行にふさわしい宿です。
リッチモンドホテル松本(駅近・利便性重視の方向け)
「温泉よりも観光に時間を使いたい」「朝早く出発したい」という方には、駅近のシティホテルがおすすめです。リッチモンドホテル松本は松本駅から徒歩圏内に位置し、観光・ビジネス両方に対応した清潔感のあるホテルです。
客室はシンプルで機能的、ベッドの寝心地も良いと評判です。朝食はビュッフェスタイルで、地元の食材を使ったメニューも並びます。大浴場はありませんが、大きめのバスタブが備わっており、疲れた体をゆっくりほぐせます。料金は1人1泊素泊まりで8,000〜14,000円程度と、温泉旅館と比べてリーズナブルです。
松本で食べたい信州グルメ4選
松本は「食が豊か」な街です。内陸の山国として独自の食文化を育んできた信州の味は、他の観光地ではなかなか味わえないものばかりです。せっかく来たなら、地元の食をしっかり楽しんでいきましょう。
信州そば(松本は蕎麦の本場)
長野県は全国有数の蕎麦産地で、中でも松本エリアの蕎麦は「信州そば」の代名詞として全国に知られています。松本市内には老舗から観光客向けの店まで、多数の蕎麦店が軒を連ねています。
信州そばの特徴は、やや細め・コシが強め・香り豊かな風味です。ざるそばで食べると蕎麦本来の風味がダイレクトに楽しめます。「十割そば」を提供する店も多く、蕎麦粉100%ならではのもそっとした食感と深い香りはやみつきになります。松本城の近くには複数の老舗があり、昼食時は行列ができることも。時間に余裕を持って訪れるのがおすすめです。
山賊焼き(信州名物の揚げ鶏)
松本周辺で発祥したとされる「山賊焼き」は、一枚肉のニンニク醤油揚げです。骨付きで大きい鶏もも肉を使うことが多く、外はカリッと中はジューシーなボリューム満点の料理です。名前の由来は「山賊は物をとる(盗る)→とり(鶏)=山賊焼き」という語呂合わせ説が有名です。
松本市内の居酒屋・食堂で幅広く提供されており、夕食の定番メニューのひとつです。地元の人も日常的に食べているソウルフードで、観光客向けに洗練された店も増えています。蕎麦と山賊焼きをセットで楽しめる定食スタイルの店もあり、松本の「地のもの」を一度に味わえます。
馬刺し・山の幸
長野県は全国有数の馬肉消費地で、松本周辺でも馬刺しを提供する居酒屋が多くあります。信州の馬刺しは、コリコリとした食感と上品な甘みが特徴で、信州味噌をベースにしたたれとの相性が抜群です。初めて食べる方でも食べやすいと評判です。
そのほか、松本ならではの山の幸として、きのこ料理・山菜・天ぷらなども見逃せません。秋は松茸や舞茸が旬を迎え、地元の居酒屋では期間限定の「松茸ご飯」や「松茸の土瓶蒸し」が登場します。旅行の時期によって出会える食材が変わるのも、松本の食の楽しさです。
松本の喫茶・カフェ文化
松本には、昭和から続く老舗喫茶店が今も現役で営業しています。「珈琲まるも」や「あがたの森珈琲」など、地元に愛され続ける喫茶店でゆっくり過ごす時間は、観光の合間の息抜きにぴったりです。信州産の素材を使ったケーキや地元の牛乳を使ったコーヒー牛乳など、観光地らしい一杯も味わえます。
中町通りや松本駅周辺には、近年おしゃれなカフェも増えています。スペシャルティコーヒーを楽しめる店、古民家を改装したカフェ、地元産のリンゴを使ったスイーツの店など、歩いていてふらっと入りたくなる店が次々と現れます。
松本観光2泊3日のまとめ
松本2泊3日の旅をまとめると、1日目に松本城と城下町の歴史散歩、2日目に安曇野・大王わさび農場で北アルプスの自然を満喫、3日目に美ヶ原高原とビーナスラインの絶景ドライブ、という流れが最もバランスよく楽しめます。城下町・農村・高原という三種類の景観をこれほどコンパクトに楽しめる旅先は、国内でもなかなかありません。
宿泊先は、温泉でゆっくりしたいなら浅間温泉のホテル玉之湯か美ヶ原温泉の翔峰、朝早く出発して観光を優先したいなら松本駅近くのリッチモンドホテル松本がおすすめです。どちらも楽天トラベルで予約でき、口コミも充実しているので比較しやすいです。
「松本ってどんなところ?」と聞かれたら、「城と山と温泉と蕎麦が全部そろってる街」と答えるのが一番伝わりやすいかもしれません。2泊3日という日程は、その全部をちゃんと体験できるだけの時間です。ぜひ計画の参考にしてみてください。最新の宿泊プランや空き状況は楽天トラベルでご確認ください。
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