能登半島の付け根、七尾湾に面した和倉温泉は、開湯1200年の歴史を持つ北陸屈指の名湯だ。加賀屋をはじめとする一流旅館が軒を連ね、「一度は行きたい温泉地」の上位に常にランクインしてきた。しかし2024年1月1日の能登半島地震により、和倉温泉の旅館協同組合に加盟する21軒すべてが一時休業を余儀なくされた。外壁のひび割れ、温泉配管の破断、断水。その影響は決して小さくなかった。
それから約2年が経過した2026年4月現在、和倉温泉には少しずつ明るいニュースが戻っている。TAOYA和倉のリブランドオープン、のと楽の営業再開、多田屋の施設改善、そして加賀屋の新棟計画。「新しい和倉温泉」はまさに今、形を変えながら生まれ変わっている最中だ。この記事では、「和倉温泉で新しいホテル・新しく営業再開した宿を探している」という方向けに、2026年時点で予約できる最新の宿情報を整理する。
復興途中の観光地を訪れることには、少しためらいを感じる方もいるかもしれない。ただ、現地の旅館業の方々は「来てもらうことが何よりの支援」と口を揃える。この記事で紹介する宿はいずれも2026年春時点で営業している施設ばかりだ。安心して計画を立ててほしい。
和倉温泉の「新しいホテル」が気になる理由
和倉温泉を検索しているユーザーのうち、「新しいホテル」というキーワードを使う方には、いくつか共通した動機がある。理由を整理しておくと、自分に合った宿を選びやすくなる。
2024年1月の能登半島地震からの復興状況を知りたい
2024年元旦の能登半島地震では、震度7を観測した地域もあり、和倉温泉の旅館も大きな被害を受けた。地震の影響で2024年の大半は和倉温泉全体が休業という異例の事態となり、メディアでも大きく報道された。そのため、「今、和倉温泉に泊まれるのか」という疑問を持って検索する方が多い。
結論から言うと、2025年10月時点で旅館協同組合加盟の21軒のうち9軒が営業を再開している。仮営業を含めると、さらに柔軟な受け入れが進んでいる。2026年に入ってからはTAOYA和倉がリブランドオープンし、観光客を迎え入れる体制が整いつつある。全面復旧にはまだ時間がかかるが、「宿泊して応援できる段階」には確実に入っている。
リブランド・リニューアル後の設備で快適に泊まりたい
震災を経て営業再開した施設の多くは、復旧工事のタイミングに合わせて設備の更新や内装のリフレッシュを行っている。配管や電気設備だけでなく、客室の内装、共用部の家具、Wi-Fi環境、セキュリティなど、いわゆる「新しくなった」部分は目に見えない部分も含めて多い。「どうせ泊まるなら、設備が新しくなった宿が良い」という動機は自然な発想だ。
また、2025年4月にリブランドオープンしたTAOYA和倉のように、震災前から全館リニューアル予定だったものが、復旧と並行して完成した施設もある。「新しい和倉温泉」を象徴するホテルとして、実際に予約が集中している。
次に行くなら「応援したい」気持ちを込めて選びたい
全国的に見ても、能登半島地震の復興支援を旅行で応援したいというニーズは高まっている。環境省の調査でも「復興支援型旅行」を選ぶ日本人旅行者が増えているという結果が出ている(2025年)。「どうせ泊まるなら、復興の一助になる宿に泊まりたい」という気持ちは、北陸・和倉温泉を訪れる動機として大きな割合を占めるようになった。
その場合、営業再開したばかりの宿や、新棟オープンを控えた宿を選ぶことは、直接的な応援につながる。予約状況や料金、プラン詳細は楽天トラベルで確認しながら決めるのが、現時点ではもっとも確実な方法だ。
TAOYA和倉|2025年4月リブランドオープンの「今いちばん新しい」宿
和倉温泉で「新しいホテル」を語るとき、真っ先に名前が挙がるのがTAOYA和倉だ。大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツが運営するTAOYAブランドの1軒で、2025年4月12日にリブランドオープンした。前身は震災前から営業していた温泉ホテルで、復旧工事と並行して館内全体のリブランド・リニューアルが行われた。
オールインクルーシブで追加料金を気にせず楽しめる
TAOYAブランド最大の特徴は「オールインクルーシブ」だ。夕食バイキング・朝食バイキングはもちろん、日本酒やビールなどのアルコール、各種ソフトドリンク、館内ラウンジでのドリンクサービスが宿泊料金にすべて含まれている。「温泉旅館に泊まると、食事後のお酒代で意外と高くつく」という不満を解消してくれる仕組みだ。
特にカップル・夫婦旅行では、食事中のアルコール代を気にせず過ごせるのが大きい。家族旅行の場合もソフトドリンクが追加料金不要で、子どもが気軽にジュースを注文できるのが嬉しい。旅行中の細かい出費を気にせず楽しめるという点で、「新しい旅館の形」を体現しているホテルだ。
能登の海を望むインフィニティ温泉
TAOYA和倉の温泉は七尾湾に向かって広がる展望露天風呂が売りだ。湯面と海が水平線でつながって見えるインフィニティ構造で、海と一体になって湯に浸かる感覚が味わえる。内湯は広々とした大浴場で、高温湯・適温湯・水風呂を使い分けできる。
温泉は和倉温泉の源泉を引いており、ナトリウム・カルシウム塩化物泉という塩分の多い泉質。浴後はポカポカ感が長く続くのが特徴で、冬場の北陸旅行でも冷えずに過ごせる。リブランドに合わせてアメニティも刷新されており、バスアメニティはPola系の国産ブランドが中心となっている。
能登和倉の海の幸を堪能できるライブキッチン
TAOYA和倉の夕食は、能登の海の幸を中心にしたビュッフェスタイル。寒ブリ、ノドグロ、甘エビ、アワビなど、七尾湾ならではの魚介類が並ぶほか、ライブキッチンでは目の前でお寿司を握ってもらえたり、ステーキを焼いてもらえたりする。ビュッフェとはいえ品数と鮮度にこだわったラインナップで、地域の復興とともに地元生産者の食材を使う姿勢が伝わる。
日本の宿 のと楽|震災から10ヶ月で復活した和倉の老舗宿
「震災からの復活」という文脈でまず紹介したいのが和倉温泉 日本の宿 のと楽だ。能登半島地震で大きな被害を受けた後、約10ヶ月の休業を経て2024年11月1日に営業再開。和倉温泉の復興を象徴する存在となっている。
七尾湾と能登島大橋を望むロケーション
のと楽の特徴は、和倉温泉街からやや離れた高台に建つロケーションだ。七尾湾と能登島大橋を一望できる絶景で、館内各所から海と橋が織りなす風景を楽しめる。特に夕方から夜にかけて、能登島大橋がライトアップされる時間帯の眺めは、和倉温泉の中でも屈指と評判だ。
復旧工事にあたっては、客室の内装や照明、寝具なども段階的に更新されており、「再開=以前と同じ」ではなく「再開=より快適に」という姿勢が随所に感じられる。新しくなったという実感を設備面でも味わえる宿だ。
檜の香り漂う露天風呂と岩風呂の使い分け
のと楽には、海を望む檜露天風呂、大浴場、ハーブ湯(女性)、岩風呂(男性)と、多彩な湯殿がそろう。檜の香りに包まれながら七尾湾を眺める時間は、都会の喧騒から完全に切り離される感覚だ。塩分を含んだ泉質のため、湯上がりは肌がしっとりし、翌朝まで保温効果が続く。
営業再開後は、女性用・男性用で湯殿を入れ替える時間帯が設定されており、連泊すると両方の露天風呂を楽しめる。朝風呂の時間帯には、水平線から昇る朝日を眺めながら一日をスタートできるのも、のと楽ならではの魅力だ。
能登牛や地魚を楽しむ会席料理
食事は能登牛、地魚、能登の地野菜を使った会席料理が中心。輪島朝市で揚がる新鮮な魚が復活しつつあり、のと楽でも能登らしい食材を使った季節感のあるメニューが並ぶようになった。石川県産米のふっくらしたご飯、能登の地酒、食事のあとの温泉という流れは、まさに「和倉温泉らしい一夜」を構成している。
和倉温泉 多田屋|海のそばの老舗が設備を更新して営業再開
和倉温泉街の南、海に近い位置に建つ和倉温泉 多田屋も、震災を経て部分的な設備更新を行いながら営業を再開した老舗旅館だ。能登の穏やかな海を間近に望めるロケーションと、全室オーシャンビューの客室設計が人気を集めてきた。
波音が聞こえる全室オーシャンビュー
多田屋の客室は、すべてが七尾湾に面したオーシャンビュー。波の音が静かに聞こえる距離感で、ベッドから海を眺めて目覚めるような贅沢が味わえる。震災後の復旧工事で、客室の窓枠やクッション、照明などが段階的に更新されており、老舗旅館らしい落ち着きと、新しくなった設備の快適さを両立させている。
海までの距離は歩いて数十秒で、朝の散歩で波打ち際を歩くことも可能。「新しい」というキーワードで探している方にも、設備を刷新しながらも老舗の良さを残している多田屋は魅力的な選択肢となる。
能登の磯料理を楽しむ和会席
夕食は能登の磯料理を主役にした和会席。季節によってノドグロの塩焼き、甘エビの刺身、寒ブリしゃぶしゃぶ、アワビのステーキなどが並ぶ。素材そのものの質の高さを活かした調理が多く、和倉温泉の海の幸を丁寧に味わえる内容だ。伝統的な日本料理を、現代的にアレンジして提供してくれる食事処の雰囲気も落ち着いている。
貸切風呂でプライベートに楽しむ温泉
多田屋には貸切風呂の用意もあり、小さな子ども連れや、家族・カップルでプライベートに温泉を楽しみたい層にぴったりだ。塩化物泉の温まり効果が高く、冬の北陸旅行でも身体の芯までポカポカ感が続く。震災後に設備を点検・更新していることもあり、貸切風呂の利用予約は早めにしておくと希望時間を確保しやすい。
加賀屋グループの新棟計画|2027年度末に総湯前にオープン予定
和倉温泉の代名詞とも言える加賀屋も、震災を経て大きな転換期を迎えている。震災前は和倉温泉内に4つの旅館(加賀屋・虹と海・あえの風・辰巳亭)を展開していたが、これらを集約し、総湯に近い場所に新しい本館を建設する計画が進行中だ。
隈研吾氏が手がける約40室の新本館
報道によると、新しい加賀屋は客室約40室の比較的コンパクトな構成で、建築家の隈研吾氏が設計を担当。2027年度末のオープンが見込まれている。震災前は客室数200を超える大型旅館だったため、一気に規模が小さくなる形だ。その分、一室あたりの質と体験に特化した高級宿にリニューアルされると見られている。
「従来の加賀屋を知っている人」はもちろん、「いつか一度は加賀屋に泊まってみたい」と考えていた層にとっても、新本館の完成は大きなニュースだ。2026年4月現在、加賀屋本館はまだ営業再開していないため、待望の「新しい加賀屋」は2027年度末以降となる見込みだ。
2026年時点で加賀屋グループの宿に泊まる選択肢
加賀屋グループ本体は休業中だが、虹と海・あえの風・辰巳亭といったグループ施設の営業状況は2026年時点で個別に異なる。公式サイトや楽天トラベルで最新情報を確認するのが確実だ。加賀屋らしいサービスを体験したい場合は、グループ施設の営業再開タイミングを狙うか、新本館オープンを待つという選択になる。
「新しい加賀屋」を待つ楽しみ方
2027年度末の新本館オープンは、和倉温泉全体にとっても大きな節目だ。総湯前という街の中心に新しい加賀屋が立ち上がることで、温泉街の人の流れや雰囲気も大きく変わると予想される。それまでの間は、TAOYA和倉やのと楽、多田屋など、いま営業している宿で和倉の湯を楽しみ、「次は新しい加賀屋で」というリピート動機を持っておくのが、旅慣れた選び方と言える。
「新しい和倉温泉」を選ぶときの比較ポイント
ここまで紹介した宿から選ぶとき、または他の宿と比較するときに、チェックしておきたい項目を整理する。2026年の和倉温泉は「営業再開している宿・してない宿」「リブランドした宿・そのままの宿」「新棟計画がある宿・ない宿」が混在しているため、比較軸を意識することが大切だ。
営業再開の時期と復旧工事の完了状況
営業再開の時期は、宿によって2024年夏〜2025年春まで幅がある。再開直後は仮営業・客室数制限・バイキング形式に限定といった制約があるケースも多く、完全に震災前の状態に戻った宿ばかりではない。希望の食事スタイルや客室タイプが用意されているかを、事前に公式サイトで確認しておくとミスマッチを避けられる。
また、温泉供給も宿によって状況が異なる。一部の宿では震災前とは異なる源泉を一時的に使用しているケースもあるため、特に泉質にこだわりがある場合は宿側に直接問い合わせるのが確実だ。
アクセス手段と所要時間
和倉温泉へのアクセスは、金沢駅からJR特急「能登かがり火」でJR和倉温泉駅まで約1時間。駅から和倉温泉街までは徒歩またはバス・タクシーで約10分だ。のと里山海道の復旧も進んでおり、自家用車・レンタカーでの移動もしやすくなった。2026年時点では、金沢を拠点にして日帰り近くの1泊旅行として組み込むことも十分可能になっている。
料金と含まれるサービスの比較
TAOYA和倉のようにオールインクルーシブの宿と、のと楽・多田屋のように食事・飲み物が別料金の宿では、同じ宿泊費でも実際の支出が変わる。特にお酒を飲む夫婦・カップルにとっては、オールインクルーシブのTAOYA和倉が総額を抑えやすい。一方、地酒を銘柄指定で注文したい方は、飲み物別料金の宿のほうが選択肢が広い。自分たちの楽しみ方にあわせて選ぶのがおすすめだ。料金とプランは楽天トラベルで確認すると比較しやすい。
和倉温泉の新しいホテル選びに関するよくある質問
最後に、和倉温泉の新しいホテル・復興後の宿について寄せられる質問をまとめる。計画段階で知っておきたい内容ばかりなので、出発前にひと通り目を通してほしい。
2026年現在、和倉温泉で営業している宿は何軒くらいありますか
2025年10月時点で、和倉温泉旅館協同組合加盟の21軒のうち9軒が営業を再開している。2026年4月現在はさらに数軒の再開が進んでおり、選択肢は少しずつ広がっている。本記事で紹介したTAOYA和倉、のと楽、多田屋は、いずれも2026年春時点で営業中だ。最新の営業状況は和倉温泉観光協会の公式サイト、または楽天トラベルで確認できる。
能登半島地震の影響は今も残っていますか
震災から2年以上が経過した2026年時点、観光エリアの復旧は大きく進んでいる。JRの特急運行も通常ダイヤに戻っており、和倉温泉駅周辺の道路・のと里山海道も利用可能だ。ただし、輪島や珠洲などの奥能登エリアでは復興途中の地域も残っている。和倉温泉単体の宿泊旅行は問題なく楽しめるが、奥能登まで足を延ばす場合は事前に道路・観光施設の状況を確認することをおすすめする。
和倉温泉で「新しい」と言えば、どの宿が代表ですか
2026年4月時点で最も新しいと言えるのは、2025年4月にリブランドオープンしたTAOYA和倉だ。内装・設備がリブランドに合わせて一新されており、オールインクルーシブという新しいプランスタイルも取り入れている。今後は2027年度末に加賀屋の新本館オープンが予定されており、そこからが「新しい和倉温泉」の第2フェーズになる。
子連れ・カップル・夫婦、それぞれどの宿がおすすめですか
子連れファミリーには、バイキング形式で食事の自由度が高いTAOYA和倉がおすすめ。オールインクルーシブで追加料金を気にせず楽しめる。カップル・夫婦には、大人の落ち着きと能登の海を味わえるのと楽や多田屋が向いている。記念日旅行で贅沢な時間を過ごしたい場合は、多田屋の貸切風呂付きプランを検討するのも良い選択だ。
まとめ|2026年の和倉温泉は「少しずつ、でも確実に、新しくなっている」
2024年1月の能登半島地震は、和倉温泉にとって未曽有の危機だった。それから2年以上、地道な復旧工事と再開準備が続き、2026年春には訪れる人を迎え入れられる宿が着実に増えている。TAOYA和倉の2025年4月リブランドオープン、のと楽の2024年11月営業再開、多田屋の設備更新を伴う営業継続、そして2027年度末に予定される加賀屋の新本館オープン。「新しい和倉温泉」は、形を変えながら一歩ずつ動いている。
旅行の本質は、その土地を訪れ、その土地のものを食べ、その土地の人と触れ合うことだ。復興の途中にある和倉温泉を訪れることは、応援の一形態でもある。宿泊の選択肢は以前より限られているが、その分、ひとつひとつの宿での体験はかけがえのないものになる。2026年の次の休みに、新しい和倉温泉を訪れてみてほしい。宿泊プランや料金、空室状況の詳細は楽天トラベルで確認できる。
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